教育者の中でも、塾長を長年務めた方は数少ないです。
本日、個別指導塾の塾長を13年間務めた塾長のふくちゃんに、特別講師としてインタビューを受けていただきました。
現在は【勉強習慣スタート塾「Habit」】を経営されており、サイドFIREされている希少な経歴の持ち主です。
そんなふくちゃんに今回は、特別講師として教育への思いや、これまで感じたことや実践してきたことなどについて伺いました。塾長としてふくちゃんが思う教育の形なども、率直にお話しくださっています。
ぜひ僕のインタビューをご覧ください。
※サイドFIREとは:生活費の一部を副業などの収入で補いながら、投資収入や資産で経済的自由を目指すライフスタイルです。
一人ひとりに目の届く範囲で教育する【勉強習慣スタート塾「Habit」】
ーまずは「塾長」としてHabitを経営する理由を教えてください。
塾長として13年勤める中、なかなか勉強の習慣がついてなくて、「成績上がらない」っていう子が多かったんですね。勉強習慣をどうしたらつけることができるかなって。特にやる気っていうのは中々一人では続かないと思っています。
だからこそ、勉強習慣は子供の頃から身につけた方が良い。
そう思い、このメディアを訪れた人には、【勉強習慣スタート塾「Habit」】を経営しているからこそわかる体験情報を届けたいと思い、特別講師としてインタビューを引き受けました。
ーなるほど。ひとくちにいい塾と言っても、生徒自身にやる気がないと成績は上がらないと思います。どんな工夫をされていますか?
最初の面談で生徒をやる気にさせるってことに力を入れると、 子供たちは最初の段階では変わるんですよ。やる気になってくれるんですけど、ただ、そのやる気っていうのがなかなか自分1人では続かないです。入会して1ヶ月後には、聞くと最初は勉強してたけど今はしてないことが多かったりして。
子供たち自身も家でなかなか勉強できない、スマホもあるし、色々誘惑もあるしっていうのもあると思います。
どうやったら勉強習慣って身につくんだろうってずっと考えてた時に、ちょうど2020年になって、教育業界にいきなりオンラインの流れが来ました。僕の塾でも、オンラインの対応っていうのを迫られてきた時に、やってみて結構いいなと思いました。
時間も場所も気にせずできるし、こっちも気軽にできるし。生徒の立場になって考えたら、家でも簡単に気軽にできるオンラインなら、塾で毎日の授業っていう形にして、勉強する時間を設けてあげれば、 勉強習慣が自然と身につくと思ったのが1番最初ですね。
ーでは、ふくちゃん自身の経験でも。勉強を習慣化するには、オンラインを交えた塾が良いと思いますか?
はい。学ぶ機会があった時に、ちゃんと勉強のやり方だったり、勉強を何日間続けて頑張ってたっていう経験があれば、オンラインでも挑戦できるんじゃないかなと思います。
学生時代に、訓練というか練習みたいなのを、この塾のサービスを通じて培ってほしいなっていう感じですね。正直、どんなにいい塾行っても、どんなにいい先生に会ったとしても、その子が頑張ろうとしなかったら一切成績上がらないと思っているので。
生徒自身が頑張らないといけないです。でも、お父さんお母さんも、頑張ってほしいって思いで、塾代を払うけれども、それも お母さんお父さんが頑張るわけじゃない。やっぱりその子が頑張らないと、その生徒が頑張らないと、結局何も成果は変わらない。
生徒が前向きに取り組むかどうかっていう、それを思わせるきっかけを作るのが塾長としての仕事の一つだと思っています。
塾講師が生徒の成績を上げるコツは、3つある
ー塾長として仕事を続けるにあたり、気をつけていることや大事にしていることを教えてください。
話をしっかり聞くことと、原因を突き止めることですね。
成績上げるっていうのは、すごくシンプルに2つ大事なことがあると思っています。1つは自分のできないところ、わからないところ、つまり自分の弱点をできるようにする。バツを丸にするっていうことです。あとは、繰り返し反復してやること、この2つだと思うんです。
じゃあ、反復するっていうのは、量が必要なんですよね。時間が必要なんですよね。勉強する時間が必要で、 バツを丸に変えるっていうのは、そもそも、自分は何がバツなのかを気づいてないとできないことなんですよね。
例えば、この前だと、「学校のマークの進み具合とか、どんな風にやってるの?」とかって聞いたら、その学校のワークやってはいるけど、丸つけをしてないとかってなりました。
丸つけしてなくて、ただ進めてたみたいで、そうすると、その子の気持ちとしては「すごい俺、勉強してるのに、頑張ってるのに成果が上がらない」みたいな感じだと思うんです。でも、僕から見ると丸つけしてないから、自分の何がバツなのか、 自分が何ができてるのかっていうのがそもそもわかってない状態なんですよね。
それはそうだよねって。ただやってるだけになっちゃってるよねって。そうじゃなくて、自分のできない問題をできるようにすることが大事だから、丸つけは貯めずにすぐ丸つけしようねって。
丸付けしてできなかった問題に対しては、 普段はその子はまるつけはするだけだったので、解説ちゃんと読もうねとか、わかんないところはちょっと教科書開いてみようねとかっていう、その次の行動を教えてあげたんですよ。
そしたら、自分で解決できる問題も増えてきました。自分で解決できる問題も増えるから、少しずつ、そのできないところが丸になるじゃないですか。あとは勉強習慣の授業もやってるから、その1時間の中で、じゃあ、ワークを2週やってみよう、3週やってみよう。
できなかった問題だけでいいよって、わかった問題だけでいいからやってみようってなったら、普段1回しかワークやってなかったのが、2週、3週やるってなりますよね。ちょっとでも勉強量を増やして、繰り返しやることで、成績やっぱ上がったので。
何ができてない、何が原因なのかなっていうのをまずよくこっちで把握してあげて、その上でその子の特徴を把握した上で、じゃあこうしてみた方がいいんじゃない。っていうアドバイスをして、あとは実践してもらうっていうところです。
そうすれば、基本的には全員良くなります。良くなると思ってます。
ただ、良くなるだろうなとは。絶対、絶対良くなるだろうなとは思ってます。スピードとか成長具合は違いますけどね。伸び具合は違いますけど、今を0だとしたら絶対プラス1、プラス2には絶対になると思ってます。
ーつまり、原因を突き詰めることで、生徒の学力が上がりやすいようにしているのですね。ほかにはありませんか?
授業でいうとその子のレベルとかペースを見ることを、すごく意識しています。普段の授業ですね、授業の時には、とにかくそれを意識してます。その子のレベルとかペースを見る。
ちゃんとわかってくれてるかどうかとかも聞きます。ペースも合ってるかなって聞くし、なるべく受け身にならないようにしてる感じですね。結構細かく細かく聞いていきながら、授業とかも進めていきます。
説明した後に、「なんでだっけ?」とかもよく聞くし「どうしてこういう答えになるんだったっけ?」「もう1回説明してみて?」とかって言ったりもします。その反応を見て、レベルとかペースを測る。そういう感じですかね。
サポートしてくれる人たちに還元できるくらい、適正に稼ぐ
ーでは、ふくちゃんがサイドFIREされても塾を経営されるエピソードについて、聞かせてください。どんなキッカケでそう思われたのですか?
明日生きるお金がないんだよねっていうような、僕がそういう状態ではないので、売り上げ重視ではないんですよ。僕も前いた塾はやっぱり売り上げっていうか。ノルマってほどじゃなかったんですけど、求められてるものはあるんですよね。
でも、僕の場合は、サイドFIREしてるから、めっちゃ売り上げ欲しいとかっていう感じではないし。ただ、気持ちとしては稼いでみたい。自分で今せっかく独立してやってるから月の売り上げいくらとか達成してみたいって気持ちもあります。
あとは、サポートしてくれる人がいるので、新しくサポートしてくれる人が来た時に、その人たちにも、お金として還元したいっていう意味があるんです。
そういう意味では、稼いでみたいっていうのは個人的にはあるんですけど、ただ、僕個人では、もらったら嬉しいけど、お金お金って意識はないいので、 やっぱり、生徒本意で考えていきたいっていうところが、ほかとは違うと思いますね。
ー塾長でも長く続けるからこそ、見えてくるものがあり、それが成功する秘訣だということでしょうか?
はい。 僕もそんなに、元々自分自身に自信がなかったので、できるタイプではなかったというか、仕事ができるとは言われたことはなく、会社員時代もできないタイプとすごい言われてきた身なんですけどね。
でも、13年やってくると、やっぱ下手なりに、身についてくるんだと思うんですよね。仕事に関わること、いろんなことに、やっぱり13年やってると、余裕が生まれるっていうのかな、そういう感じです。
その当時、会社に求められてた生徒数だったり、数字みたいなものも突破したんですよ。突破して、やめたんですね、僕は。突破したからやめたので、13年やってきた中で、自分自身の中で、なんか1つ、「僕ってこういう風にできたんだ」っていうか。
自分もやれたっていうか、少し自信にはなったっていうのはありますね。やはり長く続けるからこそ、見えてくるものとか結果がついてきたっていうところはあります。
生徒のやる気を引き出し、最高の顧客満足度を実現したい
ーふくちゃんの今後の目標や展望について聞かせてください。
生徒数100人は行ってみたいのと、顧客満足度では最高レベルをとりたいですね。
別に、外部サービスに、オリコンとかに見てもらいたい訳じゃないんですけど、通っている人にどれだけ満足してもらえるかは大切な指標の一つです。自分の中では別にお金お金っていう感じじゃないですけど、どこまでやれるのかなっていうのは、ちょっとやってみたいなっていうのはありますね。
「生徒自身の可能性」を引き出すことこそ、教育
ー最後に、塾選びをしておられる、このメディアの読者の方々に向けてメッセージをお願いします。
勉強は本当にちょっとしたきっかけでできるようになるし、道が開けると思います。簡単に俺はできないな、ダメだなっていう風には思わないでほしいです。
ちょっとやってみた先に、結構できるじゃんって、意外にできるじゃんって思う場面がすごくいっぱいあると思うので、 最初からやらないって決めつけないでほしいです。本当にそう思っています。
(取材・文/渡辺なおや)